2017年9月20日水曜日

何がいいたいかって。



かつて大阪・東京にいた。
何するためって、ただひたすらバンドがやりたくて
そこにいた。

バンドのメンバーは、あたし以外全部男で
ドラムとベースは年下だった。
ギターが唯一年上で、年齢だけでなく性格上リーダー的な事をやってくれていた。


あぁ、あんときのあたしは
自分は何者かになったつもりで
常に気にくわないドラムに腹を立て
足蹴にしていたな。

「やる気あんのか、死ね」

まで、言っていた。

おー、恐ろしい。
若い自分って、恐ろしい。

今思えば、超だせぇ。

しかし
しいて、その当時の自分を擁護するとすれば

死ぬ気でやっていた。
自分と同じくらいのやる気を
誰かから感じることができなければ、それが許せなくて仕方なかった。



悲しいかな、その「死ぬ気でやる」やる気は持っていたが、
あー、そりゃもう今思えば空回りで
何の結果も出せてないんだから

誰が一番、本当は甘かったって
あたしが甘かったんすよね。

何の結果も出せてないんだから、それが
「死ぬ気でやった」結末です。

まぁ、空しいといえば空しい。

でも、39歳独身
歌うことに固執し
いまだ形は違えど
もがきながら
向き合ってはいる。



悶々と過ごす日々が
あたしに歌う意味を与え

自分を苦しめて苦しめてステージに立つ。

いまだそれは矛盾の塊でございやす。




「敵は自分の中にいる」

先日、昔のドラマを見ていて
その中で出てきたセリフ。

おお。そうだな。
知ってる、知ってる。
心底そう思う。

と、妙に感嘆してしまった。


これまで、
誰かに向けていた刃は

今常に、自分の胸の数ミリ手前で
自分に向いている。
いつグッサリと刺さってもおかしくないところで
ギラリと妖艶な光を放って
こっちを向いている。

おお、こわ。




それに気づいたとき
きっと昔っからその刃は自分に向いていたのだけれど
それに気づかなかっただけで

この年になって

ようやくそれに気づいたとき


誰かと争ってる暇なんて、ねぇよ。
こえーよ。
誰かのせいにしてる時間なんて
1ミリもねーよ。
誰かにどう思われるとか
そんなのもうどうでもいいよー。
この自分に、今にも刺さりそうな刃が
ああ、もう刺さってしまう。
この刃が、本当に刺さって死んでしまわないように
柄を握りしめて戦わなければ。
力尽くで、抵抗しなければ。


気づかなければ
この恐怖を知ることもなかったのに・・・。
知らんふりしてればよかった。
怖い、怖い、
めっちゃ怖い。

胸の先で
こっちを向いている。
リアルに見える。
幽霊何かより、見えないなにかのはずなのに

あたしにはしっかり見える。



「お前がだめだから、ここはだめなんだよ」



平気で言い放っていた
あのころの自分に
戻りたい。


この恐怖から
逃れてしまいたい。




でも、


刃を誰かに向けるよっか、いっか!!

何をしてもいいけれど人は殺しちゃいかん。

殺してしまったら
きっと、えげつない憂鬱と
想像を絶する恐怖と立ち向かわなければならない。
悪夢で眠れず、悪夢に侵され、悪夢にのたうち回らなければ
ならなくなる。

そんなの普通の人間が耐えられるはずがない。
あたしは、ごく普通の
ただの人間だ。
悪魔に心を売ることなど出来ない
ただの小心者だ。


まだ、自分が
自分だけが生きるか、死ぬかの恐怖と戦ってる方がマシだな!

あはは!!
そうだな!!!!!

その方が、なんぼか生きやすいわ♬

と強がりながら、刃の柄を握りしめて
自分に刺さらないように戦おう。






何がいいたいかって。





自分に向かった刃が
見えてよかったな



って話し。




だって、それに気づかなかった時のあたしは



めちゃめちゃに

人の心を殺していたんだと思うから。


それに気づこうとしない人が


ぐっさぐっさ
人の心をエグっているのも



今は見えてしまうから。