葵（あおい）

葵


差し出された朝食は
まだ夜も明けぬ部屋の中で
椅子を温めていた
猫が背伸びをして目を覚ます

おろしたての靴はどこか
かっこ悪くて
庭の石畳に投げつけた

歩き出せば
息は白く　今旅立ち
見慣れた町に背を向ける

明日の今では見えない空
吸い込まれるように向かうあの空の向こうへ
思い出という過去も
希望に溢れた未来も
手の中で眠れ


目指す自由はよほど遠く
目指す自由はよほど遠く
当たり前の日々は辛く
白々と明ける朝は葵

息を吸い込んで　振り返れば
見慣れた町が遠く霞む

明日の今では見えない空
吸い込まれるように向かうその空の向こうへ
思い出という過去も
希望に溢れた未来も
手の中で消え

ああ今は全てを捨てて
見果てぬ夢は空の向こうへ

目指す自由はよほど遠く
目指す自由はよほど遠く
白々と明ける朝は葵






15年前に書いた
うたです。

アンチ　スーサイド！
で、書いた曲です。

絶対反対！
自殺大国日本に生まれて生きて
理解に苦しんだ。

だから、アンチ精神で
物凄い怒りを持って
この曲を書いた。

激しい怒りというより
静かに
ただただ静かに怒り
最大の軽蔑の意味を込めて
自殺する人なんて
このくらいのもんなんだろ！って書いた。
わざわざスローポップで。

今思えば、それはそれでなんて精神だったんだろうと思う。

自殺を謳ったうただとは
誰にも気づいてもらえなかった書き方しかできなかったのが
唯一の救いで

時間を経て
違う側面を持つ事ができたことにホッとしていたりする。





三浦春馬氏の自殺のニュースで
この曲の事を思い出した。

曲を書いた15年前とは
今となっては
全く違う意味を持っている曲となった。



15年前より
15歳、歳をとりました。
当たり前ですが
気づくと
この15年の間に
自分の中にも大きな変化が生まれていました。


逃げたい現実に
四方八方塞がれて
もう怒りなのか、悲しみなのか
虚しさなのか、
全く分からないものに苛まれて
ぐちゃぐちゃになった気がして
それを通過したような、通り過ぎたような気がそろそろしていた時に

『これ乗り越えろって言うのなら、もう出家とかしかないんじゃなーい？』

『乗り越えた先に、笑える日がまた来たとして、でもまたこんな事がこの先の人生で起こるのなら、、、』

『死んだらどーなるんすかね』

『好きな事散々やってきたし、別に今死んじゃっても悔いはないな』

『あ、猫のエサ切れてたんだった』

『明日の仕事は早朝から始めないとなー』

『あー、洗濯物たまってるな』

『死んでもいっかなー』

『無しよりの有り？有りよりの無し？』

『あーー、眠ぅー』







と、物凄くぼんやり
よくそう思っていました。

悔し涙を目にいっぱい溜めてた訳ではない。
悲しみに息を詰まらせてた訳でもない。
下手したら、
大げさにいうと、
鼻歌まじりに近い感覚で。

トイレから出て、ソファーまでの数秒の間とかに。

そんな事を考える事がよくありました。

虚無感というのはきっと既にあって
その中に、すーっと溶け込む感じで

命に投げやりな思いが
変な言い方すると『すごく自然に』
そこに在りました。

自分は行動には移せない事が分かっていたと思います。
十分に分かっていた気がします。
だからそんな無責任な事を考えられた気もします。


だが！
しかし！


歌詞なんて、解説するものではないんだけど
自分で意味合いを語るなんて
本当は無意味で、ナンセンスなんだけど

自殺するって状況や
その心持ちは

もう、
自分で気づかないうちに

『０』

になっていて

当たり前に朝食を食べて
おろしたての靴はカッコ悪いと思って、ちょっとクタクタにして
そしてその靴を履いて

自由って本当は怖いんだな、、、
とかぼんやり思いながら歩いて

その歩いた先に

生と死の別れ道が突然現れて

気がついたら、、、




ってことだったりするんじゃないのか？


そう思えてならないんだよな。






『死にたい、死にたい、死にたい！』
だけじゃ、ない気がする。



『あぁ、夕日キレイだな。なんでなんだろうなー。』
『まぁ、もういいかー』

な、気がする。





そして、自分の書いた曲が
その当時のアンチ！精神だけではなく
得てして妙に、自分の中に滑り込む形で
納得してしまう曲となってしまった・・・。



いや、

そうとて、

自殺を「仕方ない」というつもりは毛頭ない。

「0」

になったんだから、仕方ない！というつもりだって
1ミリもない。



アンチ スーサイド

少し形を変えて
もう一度考える事になりました。

もう、軽蔑ではないかな。

強い、とか
弱い、とかでもない

でも決して
容認はしない。

なんとなーく、だけど
ほんの少しだけど
『分かる気がするからこそのアンチ』でありたいと
今は思っている。




ブラックホールのような
真っ暗闇じゃないんだって、きっと


もちろん、明るい色でもない。

さめざめと
薄青く
薄赤いのと混ざって

淡い優しい色としても見えてしまう

「葵」

だけど、深くて
ゾッとする色にも見えてしまう葵。




花としては『大望、野心、威厳に満ちた』から
『私は明日死ぬだろう』という花言葉まで
かなり種類もあるらしい葵。




目立たなくない？
見逃してしまいがちじゃない？


周りから見ても
きっと自分でさえも。


そんな色合いが妙で
朝が明ける、けど
まだ暗い
そんな時に

と言う意味合いも込めて
この『葵』という曲をかいたんだった。

曲を書いた時の自分と
今の自分が
結局は軸がつながっていることに
少し安堵しながらも

どこかで、ゾッとしていたりもする。


怖いな。


私は
私の大好きな人たちを
大切な大切な人たちを

本当に、ちゃんと
見ているだろか。


黒は分かる。
黒はまだ分かる。




葵に気づけるだろか。




気づける人間でありたい。

半径5メートルまででいい。
多くは無理だと分かっている。



自分も含めて
きちんと向き合って

きちんと周りを見ていたい。


と、再度
しかと諫めておこうと心に固く誓います。








やっぱり、落とし所が欲しくなるよね。
理由が知りたくなるよねぇ。

でも、本当に身近な人たちの為に
『悲しい』や『悔しい』は全て返してあげて欲しいと思う。



1000歩下がって、見守るべきだと思う。



私は、自分の友達の

墓参りに行こうと思います。

多発性円形脱毛症 －終焉を迎えるー(衝撃写真・閲覧注意)

今となっては
猛烈に感謝している。

円形脱毛症に、もうほんとにほんとに感謝している。

ここまでものすごいハゲ方をしてくれていなかったら
たった1コの円形脱毛じゃ、自分を変える事は出来なかっただろう。

1/18
円形脱毛、発見。

1/23
皮膚科受診ー多発性円形脱毛・自己免疫疾患と診断される。

まだこの時は、小指の先程の円形脱毛が20個くらい
ぶつぶつ、ぶつぶつ、と
てんてんと頭中に広がっている感じだった。

その後2か月かけていっこいっこの脱毛範囲が広がっていき
親指大の脱毛になり
その脱毛部分と、次の脱毛部分が繋がりだした。

まぁ、見事な
つるっつるの円形脱毛が・・・。

3月初旬　わぉ。

こんなんが、合計14個。

しまいには、このサイズ同士がつながって

川流れてます？くらい、頭頂部からうなじにかけて縦に長いハゲが完成してた。

4月初旬。

もうこれ以上広がる事はなさそう、、、

でも、ちと産毛生えてきてなーい？？

ちょっとー！

ハゲのとこ、アザあんじゃん！！

なにそれー、一人で勝手になんか恥ずっ！！！

4月後半

ほらほら、産毛！！！

大丈夫。あたしの毛根、死んでない！！！！！

と、ハゲきったとたん、産毛も発見しだした。

しかし、この時に

歯痛→抜歯等もあり

もう、体調不良の絶頂でした。

そして、普段の犬の散歩に出たある日

小高い丘を登っていたら

もう、息切れなのかなんなのか

身体がしんどくてしんどくて

もう、過呼吸とかおこすんじゃないかってくらい気分悪くなって

ショックを受けました。

もう、甚だショックを受けたんです。

自分の身体が思うようにならない事に。

「体調不良」じゃない。

「不快感」だ。これまでずーっと抱えてきてた、不快感。

体調不快感、絶頂。

そして、完全にその不快感マックスに

爆発しました。

これまで、

ストレッチくらいはやってた。

食事だって、至って普通で

暴飲暴食は、神に誓ったってやってない。

スマホ依存もだいぶ克服できて

気持ちは前向きになりだしていたし、

このまま少しずつ、何かを取り戻していければ・・・

と、このブログを書きながらやり進められていたつもりだし・・・

でも、もうそんなのすら

全て投げやりになりたい気持にさせられた。

それくらいショックだった。

身体が全くいう事聞いてくれない。

もう、吐き気がするほどのショックと

「これが現実なんだ」という絶望感。

なんか、

プツッと切れた。

何かが切れた。

もう、笑えてきた。

なんかわらけてきた。

「だーめだ。まだやってる事が中途半端なんだ」

「いっそ、全部変えるくらいの事しないとダメだ」

「全とっかえだ。総入れ替えだ。完全リセットだ！！！！！！！！！！！」

身体ン中、全部入れ替えするぞ。

と、相成りました。

そして、

「梅流し」という、３日間の断食からスタートさせたのが

4月22日。

42歳になって、2日後の事です。

「梅流し」とは、水のみの断食後に

ゆでた大根とその煮汁に梅干しを潰して入れて

ゆっくり飲む、というやつで

前から気になってたデトックス法です。

もう、「身体の中の悪いもん、全部出てくれー」

って思いでやりました。

正直、今となっては

効果はそんなに分かんない。

でもあたしの中では

「やり切った」という達成感の方が

今思えば大きかった気がします。

スタートダッシュが切りたかったから。

ゆっくりジョグで慣らしてー、とかじゃ

これまでと全く一緒だわ、全然ダメだわ！と思ったから。

ダッシュでスタートしたかった。

そして

それが出来た！間違いなく。

食事も「暴飲暴食していない」というのを言い訳にしてた気がしたので

内容を総とっかえしました。

 

 

 

 




もちろん、糀を使って

とにかく自炊を徹底し、量を大して変えず
でも糖質カットとかそんなことは一切せず

一生続けられそうなヤツの中でどうするか、を
メインで意識して

そして1日1300ｋcalを大きく上回らないようにする

と目標を決めました。


こんなのを自然と続けられるようになった現在では

 

もう、自然とサラダがメインになってきて
もう超絶楽ちんです。

じゃがいもとか
ごぼうとか
一気に大量にもらったりするものは
全て豆乳ポタージュにして冷凍したり

これまでにはしなかった事が
難なくできるようになったのは、相当自分で嬉しい。



そして、何より

筋トレを始めました。


ストレッチや、ヨガ的な事から・・・と思って
それは過去やってきていたけど

それじゃ足りていなかったことが
筋トレを自宅でやるようになって3ヶ月目に入ってからようやく気付きました。


腹筋・腕や肩回り・大腿筋の筋トレから
スタート。
自宅で楽ちん簡易的なエアロバイクを合わせたり
トランポリンとかも最近は追加しています。




まだ3カ月だし、
分かりやすい変化はないけれど

3年かけて太った分は
せめて、最低でも1年はかけて痩せればいいし

それよりも何よりも

なんか「憑き物が取れた」感が

半端ないです。

それ以前のあたし、

ほんとになんか、いらん憑き物

しょってたんじゃないの？

ってくらい、今は

清々しいです。

ま、気持ちの問題だって事っすよね。

そして！！！！！！

ほらー！

産毛っぽかったのが

「毛」っぽくなってきたー。

毛らしくなってきたーー！！！

あとちょっと！

もう、すぐそこに

「元通り」

が、待ってる～♪

終焉を迎えております。

円形脱毛。

これまで

不快感をずーっとしょってきながら

どっかで軌道修正して・・・と

少しずつやってきましたが

この円形脱毛があったから、

不快感爆発→

完全脱出へのスタート→

になれた気がします。

「いやいや、爆発する前に気づけよ！」

「全然前からわかってたことじゃん」

ってのが、正直なところですが。

そして、そのためにこのブログ始めたんでしょうが！

って事なんですが

ありがとう、円形脱毛。

しかも中途半端なやつじゃなくて

すっげー特大のヤツ来てくれてありがとう。

ちなみに、皮膚科の治療は

1月に病院行って10日ほどで

完全に辞めています。

ステロイド治療

飲み薬

なんかチクチクする変な機械を当てられるやつ

それは「こんなん続けてられっか」

と言って、1週間ちょいで辞めました。

食事内容の改善

筋トレ

等が、円形脱毛を直したとは思っていませんが

なんか、身体の中身だったり

実際、体幹とか

筋力とか

そういったもののすべてのバランスが

完全に崩れていたのだろうということは

絶対的に自分で分かります。

身体が先か

精神が先か

分からないけど

どちらかが崩れると

どちらにも影響を与えて

総崩れになるんだと思います。

これから、年を追うごとに

どう気を付けていても

もっと、ぶち当たる何かが

突然目の前に立ちはだかるだろうし

きっと、もっときつい事に出会うのだろうけれど

老いに、慣れていく訓練が始まったのだと思えば

少し気が楽になるし

その時に、受け入れる容量がなるだけ大きく在れれば

それに越したことはない。

年を重ねる事を

もっと、もっと

面白がれたら、

めっちゃステキやん♪

と、鼻歌

うたってられるようで在りたいと

心から思うのです。

ありがとう、円形脱毛症。

お前の事は、一生忘れない。

でも

今後

再発だけは

マジで勘弁してね♥

もう、二度と会いたくないから。